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できるだけとは?/ アットローン

[ 734] できるだけわかりやすく政治のお話 - Munchener Brucke
[引用サイト]  http://d.hatena.ne.jp/kechack/20080119

昨年の参院選でバラマキ政策を掲げた民主党が大勝し。あわてて自民党がバラマキ政策に回帰した。日本は改革を止めたと思われ、外国人投資家はどんどん逃げてゆく。
とまあ、最近のエコノミストやネオリベ経済学者の紋切型の発言はこんな感じだ。しかし、彼らの主張の受け皿になる政治勢力は鳴りを潜め、「改革」を叫んでも国民の反応が非常に鈍くなったのは事実だ。
自民党も民主党もバラマキだからダメというのが彼らの特徴だ。55年体制を知らない若い有権者の間では、「改革派」VS「守旧派」という二分律が有効で、新自由主義者に雷同するケースが多々見られる。しかし55年体制を引きずる40代以上の世代にはこの構図はしっくりこないと思う。55年体制というのは自民党と社会党というともに「大きな政府」を前提に、その予算配分で公共事業を優先する勢力と社会福祉を重視する勢力で対峙していた構図である。この世代は「バラマキ」の中身を重視し、バラマキの中身はどうでもよくてバラマキそのものを悪としてしまう新自由主義者の意見はしっくりこないと思う。
以下、すべてのバラマキは悪だとする新自由主義者にとってはどうでもいい話である。ただ40代以上の人にはこの話はしっくり来ると思う。自民党のバラマキは公共事業重視で予算により総需要を創出して、地域間格差を是正しようというものだ。一方、今の民主党のバラマキは社会福祉重視で地場企業の活性化による間接的なものでなく、個人に対して直接的なものが中心である。実はこの構図は55年体制そのものなのだが、この構図は古い世代には非常に馴染みがあるので、その世代にはわかりやすいと思う。
前者のバラマキは悪で、後者のバラマキは善だと考えている方、けっこう多いのでは?昔はそういう人を左翼と呼んだのだが、今風に言えばリベラルという感じか?
以上の構図を三分律でまとめたい。また三分律かとお思いでしょうか?確かに私は三分律で考えるのが好きなのだが、三分律の議論は白黒はっきりした二分律に比べてわかりにくいので、評判があまり宜しくない。アクセス数。ブックマークとも三分律の話を始めるとぐっと落ちる。それでも三分率にしてみる。これでも「右」と「左」という二分律に慣れている人にはわかりにくいかも知れないが、この問題で新自由主義と公共事業重視派を「右」で人括りするのは全く無意味なので、ご理解いただきたい。
上記の図で、一番壁が厚いのが、実は「新自由主義」と「公共工事重視派」の間である。いわゆる新古典派経済とケインズ経済の対立に相当する。両者は経済政策的には完全に矛盾していて妥協の余地がない。むしろ社会福祉重視の社民主義の方が、両者と妥協の余地がある。
右Vs左、保守VS革新という二分律で頭が凝り固まってしまった人は目が回る話かも知れない。自民党の間で20年近く「新自由主義」と「公共工事重視派」が共存できたのは、安全保障や伝統的価値観を重視するといった経済政策意外の部分に共通価値を見出していたに過ぎず、経済政策的には最初から水と油なのだ。
国民感情的には「税金の無駄遣い反対」「アンチ公共事業」という話になるが、まじめな経済政策レベルでは「新自由主義」と「社会福祉」を両立させる「第三の道」という政策が知られる。
具体的にはイギリス労働党政権の政策で、サッチャー以降の新自由主義政策の行き過ぎによる弊害が顕著になり、保守党から労働党に政権交代が起きたイギリスにおいて、その中でも新自由主義の成果として認められ国民に支持される政策が多く、ブレア政権は新自由主義路線の多くを引き継ぎながら、弊害部分を社会保障で補った。これがよく言われる「セーフティーネット」である。
第三の道での格差是正は個別主義、個人対象が基本である。競争力を失った産業や企業を規制や補助金で守るといったことは嫌い、その部分では新自由主義的である。新自由主義は、個人レベルの格差是正策を求める社民主義側には妥協可能なのである。
意外かもしれないが、経済政策だけを見れば新自由主義と公共事業重視派が対極にあり、社会保障重視の社民派がキャスティングボードを握る形になっている。
実はこの構図は90年代の日本で既にみられた現象だ。当時の社会党は、自民党から分離し新しい政治を目指す勢力と共闘したが、やがて新自由主義より古い自民党的な政策の方がまだマシだということでさきがけとともに非自民連立政権を離脱して自社さ連立政権を樹立した。
この政権は野合と言われ評判がすこぶる悪いが、社民主義がキャスティングボードを握っていることを理解できれば、起こりうる現象と理解できる。
結局、この後、社会党、さきがけともに崩壊するのだが、この中でやはり公共事業重視の古い保守より新自由主義と共闘した方がいいという第三の道志向の議員が終結したのが当時の民主党である。
「まだ改革が足りない」という改革至上主義者の声を聞くと空しくなる。完全に世論から浮いているからである。新自由主義がなぜ急速に支持を失ったのかをよく理解していない。国民レベルから見れば、痛みに耐えても何もいいことがない、企業業績回復を先行させても労働者に配分されない、これでは改革の掛け声に騙されたと言われても仕方ない。最近では、企業が業績を回復させても従業員に配分せず、好景気が内需の拡大に結びついていないことも批判されるようになった。
中間所得増を没落させ、内需が減退し、25年前の輸出依存の経済構造に先祖帰りさせたことは厳しく反省せねばならない。これでは今後も国際競争の労働ダンピングに晒され、国民所得はいつまでたっても回復しないであろう。
現状では「改革」を叫んでも、呼応する国民は少ないであろう。新自由主義者は国民所得への還元と、競争から弾かれ没落する低所得者をピックアップするセーフティーネットを積極的に求める方向に軌道修正しないと、存在そのものが危ない。原理主義的な新自由主義に固執するなら、経済政策の選択肢の中から消滅せざるえ得なくなるであろう。
「きまぐれの日々」もそういったブログの一つだ。この中で朝日新聞を新自由主義に親和的であると批判している。
ただ朝日新聞はやはり東京中心世論の影響を受け、古い自民党より新自由主義の方がマシという立場だと思う。
2008/01/20 13:29 「きまぐれな日々」に言及いただき、どうもありがとうございます。私の場合、新自由主義への拒否反応は、90年代後半に都市部住民だった頃の個人的経験に由来しています。98〜99年頃、ようやく岩波新書その他でグローバリズムを批判する書物が次々と現れた時には、胸のつかえが下りた気持ちでした。当時、私は「これは新しい米帝(アメリカ帝国主義)だ」というサヨク用語を使って、グローバリズム支持の同僚と論争してました。99年から地方在住者となり、コイズミ政権下であれよあれよと地方が疲弊していく状況を、一貫して政権に対して批判的に眺めていたので、私にとっては都市部のリベラルたちが新自由主義に親和的であることに、むしろ違和感を覚えていました。昨年、やっとその時がきた、と欣喜雀躍した次第です。本当は、05年の郵政解散の時に、これで新自由主義は終わった、と手を叩いたものですが、まさかあんな「コイズミマジック」にしてやられるとは思いませんでした。あと、以前にも書きましたが、私は悪名高い「自社さ」に期待を寄せていて裏切られた人間の一人ですが(当時から反小沢一郎でした)、懲りもせず、現在民主党と旧保守(新自由主義者と国家主義者を排除した自民党の主流派)、国民新党、社民党の4派で連立政権を組めないか、などと夢想しています。つまり、大連立にはあくまで反対ですが、分裂したあとの自民党の福田康夫とは民主党は組んでも良いのではないか、という立場です。
2008/01/20 22:49 sunafukin99 さん> いつも同じ指摘をされてしまってますね。正直歳入の問題に関しては知識に乏しいのでスルーしてます。>私なんかが影響受けてるリフレ派 私も変にサヨク被れのところがあって、経済成長派の唱える企業減税に心理的嫌悪感があって賛同したくないんですよね。ただ規制緩和に関しては、最近のバックラッシュは過剰のような気がしてます。社会的規制まで緩和したために諸々弊害が出ているのは事実ですが、どさくさに塗れて経済的規制を温存するような動向は注視すべきだと思っています。 インフレターゲット云々は正直よくわかりません。>私の場合は元々ケインズ的立場が出自なので、心情的には今でもそっち寄りなんですよね。 確かに。ケインズ主義者から新自由主義へは移行しやすいんですよね。 kojitaken さん>>私にとっては都市部のリベラルたちが新自由主義に親和的であることに、むしろ違和感を覚えていました。 これはけっこう味噌だと思います。リベラル勢力の中の温度差というのは私も最近特に感じております。反小泉、反安倍を唱えていたブロガーの中で、最近論調の差がすごい気になっています。 私は始めて選挙権を得て投票した選挙で細川内閣が成立したので、どうしても「土建バラマキの古い自民党憎し」というのが体に染み付いています。実際には90年代後半まで私自身も新自由主義を信奉していました。 ここ数年は反新自由主義を最も前面に出してきましたが、やはり自分の政治体験というのは拭い去れず、「公共事業を介した地域間格差是正策」というものを肯定できないのです>現在民主党と旧保守(新自由主義者と国家主義者を排除した自民党の主流派)、国民新党、社民党の4派で連立政権を組めないか、などと夢想しています。 衆院選後なら可能性がありますが、私は衆院選前は都市部対策で民主党はやや新自由主義寄りに政策を調整してくるので難しいと思います。参院選では格差批判に重点を置き、衆院選では朝日新聞的に「改革に逆行する福田」批判に重点を置くとみています。ちょっと国民新党との共闘に齟齬が出る(道路特定財源で齟齬が出てますが)のでは危惧しています。 そうなると、kojitaken さん的には民主党は支持できない政党になると思いますが…。

 

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